リアルホラー;「S県K駅男性洋式トイレ」②

そのとある週末の土曜日、私は、S高速鉄道のK駅の周辺を散策してみる気になった。

何故ならば、そのS高速鉄道へは、アパートの最寄り駅(O駅)から直通で電車が乗り入れているため、引っ越しして間もない私は、そのS高速鉄道で一番近い駅であるK駅が便利な街ならばちょくちょく遊びに行こう、と思っていたからであり、その為の下見をしてみたかったからである。

というわけで、O駅から電車に乗り込んだ。
休日ということもあり、電車は空いている。悠々、座れる。
目的のK駅までは、3駅。近いので立っていても疲れることはないが、休日はまったりライフ、ということで、座ることにした。

途端、何となく、暇になった。
手持ちぶさたに、文庫本でも取り出そうと、鞄を開ける。
と、よくわからないが、飲みかけペットが入っていた。
はて、こんなの何時買って飲んだのだろう、と首をかしげながら、取り出す。

ペットボトルの形状は、笹。
最近、CMでごく稀に紹介されている一品だ。

ああ、そうか、そういえば、昨日コンビニで見かけて、最近CMでやってるじゃん、へえ、これかあ、と言って買ったけど、特に普通の味だったから、飲んでいても気分が乗らず、鞄に収納→放置、ということになっていたんだっけなあ、等と、思い出した。

この場合、問題となるのは、一晩放置した飲みかけ茶というのは、まだ飲めるのかどうか、ということであるのは、疑いようもないことである。

馬鹿の考え休むに似たり、もとい、百聞は一見にしかず、いや、それもヘンだから、為せば成る成らぬは人の為さぬなりけり、ということで、飲んでみることにした。

一口、口に含む。

口に広がるのは、生ぬるい、笹と称する雑草風味に侵された、お茶の香りと味、否、臭いと不味さ。

そこから浮かんでくるのは、冷涼な笹林ではなく、泥河の汚泥でしかありえない。

こんなの、飲んでもおいしくないなあ。
というか、飲まなければよかったなあ。
もしかしたら、傷んでたのかもしれないなあ。
傷んだお茶を飲んだりしたら、お腹を壊すということもありえるんだろうかあ。
てゆうか、明らかに昨日よりも一層美味しくなかった様にも感じたが、ならば、これは傷んでいた、と言うことなのではないだろうか。
ということは、よくありがちな三段論法によれば、傷んだお茶を飲むとお腹を壊す、私が飲んだお茶は傷んでいた、すなわち、私は傷んだお茶を飲んだのだからお腹を壊す、という答えが出る、ということになる。
おいおい、困ったことになったねえ、Kくん。
ありゃりゃ、本当に、ごろごろ、と猫喉の様な音がしだしたぞ。
おりょりょ、へそのちょっとしたの辺りが、何だか、イタくなってきたねん。
くそう、これが、マイナスプラシーボってやつか。病は木、じゃなくて、気から、ってね。
えーと、これは多分、あと7分が限界、って位になってきた、ってとこだなあ。
うーん、今は、A駅だから、K駅は次か。
って、ホントに、やばいよ。

そういうわけで、K駅に着いた所で、正にロスタイム突入ぎりぎりセーフ、というタイミングで、電車から早足気味でトイレに向かう。

歩くフォームは、お腹に負担がかからない競歩風スタイル。
ダントツトップで階段をのぼっていく。

ああもう全く!!、と何かに文句を心の中で呟きつつ、水に流せるポケットティッシュの自販機が入り口に設置されている男子トイレに入っていく。

左側手前に並ぶは小用便器。
左側奥には用具入れ。
右側手前には、和式×2。
和式はムリ。
狙うは、右奥洋式トイレ。
汚いのは、許せない。
ラッキー、ここ一週間位は誰も使っていないんじゃないの、って位、綺麗!

そうして私は、S県K駅男性洋式トイレ、に入ってしまった。

その時は、あの様な事になるとは、思ってもみなかったのであった。

 *またまた長くなってしまったので、やはり以下続。

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この記事へのコメント

いななき
2006年04月20日 02:54
今日の記事、「あの日」を思い出してしまったよ…。
「あの日」も今は昔…。
懐かしいね~。

「あの日」が伝わらなかったら…、悲しいな。
2006年04月23日 23:36
安心して、伝わってるから♪

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